2016/06/02 14:08

シリーズ「インテリアグリーンを上手に管理する」も最後の回になりました。これまで「光」や「水」のことをお伝えしてきましたが、今回は植物にとって大切な「土」についてお伝えしていきたいと思います。

土の特性を意識して鉢植えしていますか?


植物は、土に根を張り、体を支え、水分や養分を鳩首します。鉢植えの観葉植物にとっては、鉢内の土が生活の場です。使用する鉢土はその植物に合わせて、清潔な土で排水力や保水力を考えて混合しましょう。

土にはさまざまな種類があります。そのすべてが植物の成長に適しているとは限りません。また、植物によっても違ってきます。土の特性を理解すれば、インテリアグリーンはもっと楽しくなります。土は、大きく分けて鉢土のベースとなる【基本用土】と基本用土にプラスする【改良用土】の2つに分けられます。

①基本用土

赤玉土:赤玉土は植物の育成でよく利用する基本用土です。見た目は比較的均等な大きさの粒であり、それぞれ、大・中・小の大きさがあります。特徴は、水通しに優れていて、水の吸収率も高いことです。植物が育つための環境としてもっとも優れているため、ほとんどの植物が元気育つことができる土です。ただ、長期間使用していると粒が壊れてしまうので注意が必要です。

鹿沼土:栃木県鹿沼地方で産する土です。基本的に火山灰土壌のため、酸性となる場合が一般的です。よく赤玉土と似ていると言われますが、水をかけると鹿沼土は黄色っぽい色が強く、赤玉土のような赤さはありません。特徴としては、腐植などの養分や害虫、雑草の種などほとんど含まれないクリーンな土であることです。そのため、雑菌を嫌う樹木の挿し木などに利用されます。

②改良用土

腐葉土:腐葉土は腐った葉が混合している土のこと言います。特徴としては、水通しがよく空気の出入りにも優れている点です。腐葉は多くの有機栄養素も含んでいるため植物の成長の手助けも行います。さらに、土の半分以上が腐葉ということから、土がガチガチに固まることを防ぐメリットもあります。

ピートモス:純粋には土とは言い切れませんが、一般的に土と呼ばれています。ピートモスは発酵したものですので有機栄養素を多く含んでいます。ただし、同時に酸も含んでおり、酸に耐性がない植物はすぐに枯れてしまいますので注意が必要です。特徴としては、空気の出入りや水持ちがよいため改良用土にはよく利用されます。また、菌が発生しないため種まき時の土としても利用されます。

パーライト:パーライトは自然にできたものではなく、真珠岩を高温で膨らませたものを利用した改良用土です。均等性のある大きさの粒であり、指でつまむと簡単に壊れてしまう性質があります。特徴としては、水通しがよく空気の出入りに優れています。しかし、水持ちには難があります。ちょっと力がかかってしまうと壊れてしまうためパーライトを使用するときは注意が必要です。土の重さを軽量にしたいときにパーライトを使用する方がいいでしょう。

パーミキュライト:パーライトと同じように人工的に生成された改良用土です。特徴としては、用土としてあらゆる点で優れており、よくない土と混合させ、よい土に改良するためによく用いられます。また、菌が発生しないため種まきの土としても利用されます。

自分なりにブレンドする楽しみ


最近では、観葉植物専用の土や多肉植物専用の土など栽培する植物別に専門用土が販売されています。これらは赤玉土や鹿沼土などに加え、肥料などもあらかじめ配合されているので手軽で便利に使うことができます。


まだ、植物の特性があまりわからないときは市販の土でも十分ですが、ある程度インテリアグリーンに慣れ親しんだ頃には自分で土をブレンドするほうがいいでしょう。例えば、水はけを良くしたいときはパーライトを、逆に水持ちをよくしたいならバーミキュライトやピートモスをブレンドして使うとよいでしょう。


土の特性を理解すれば、インテリアグリーンはもっと楽しくなります。ぜひ自分なりの配合でインテリアグリーンを楽しんではいかがでしょうか?